第2回目:自動化の歴史と対象業務
目次
RPAとは
第1回目でご説明した通りロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)の略で、ロボットによる処理の自動化を意味します。
ここで特に重要な単語は『処理』と『自動化』の2つです。
「ロボットは重要ではないの?」との疑問を持たれた方へ
筆者にとってロボットとは『鉄腕アトム』のような愛と正義の為に悪と戦うロボットであり、それ以外をロボットと呼びたくないからです。
ここで筆者が更にロボット論を語りだすと、RPA関係者を敵に回すことになるのでこれ以上はじっと我慢します。
処理とは
業務そのもの、または業務におけるそれぞれ作業単位を意味します。ただしRPAはコンピュータを用いて作業を実施するので、コンピュータで扱える処理とします。
主に『定型的な処理』を対象とします。
例えば、
・EXCELファイルの保管されている新規会員データ一覧をWEBに登録する
・社員の定期代をネット検索する
・日々の売り上げ報告書作成する
・毎月の給与計算を行う
など、小さなものから大きなものまで処理として扱えます。
自動化とは
ここで処理の自動化とは人間が介入する個所が無いものと定義します。全く人間が介入する必要がないものが究極の自動化(完全自動化)と定義します。
既に多くの会社・組織ではある程度の自動化処理を行っていますが、完全自動化は難しいものです。最も難しいものは、異常事態が発生したときに対応です。稀にしか発生しない異常事態の為に多くの費用を投入することが経済的に見合わないからです。
自動化の歴史
実はIT業界にとって自動化は永遠のテーマです。決して新しいことではありません。
バブル景気が始まる前の1980年代に時間を戻しましょう。
この頃OA化という言葉が流行しました。OAとは(オフィス・オートメーション)の略です。
OA化とは『事務所の処理を自動化する』ということですが、当時具体的に何をするべきか不明確でした。ある人は「パソコンを導入することだ」と解釈しました。「事務所にベルトコンベアを導入することではないか」という意見を聞いたこともあります。オートメーション=ベルトコンベアのイメージが残っていた時代でした。チャップリンの映画『モダンタイムス』の影響が残っていたと思われます。
OA化の結果として社内のPCの台数は増え、手書きの資料がワープロに移行されたことです。それでも1人1台のPCには程遠い状態でした。これが自動化??
同時期、【自動実行ユーティリティ】というPCソフトウェアが発売され、筆者はその機能に魅了されました。
当時コンピュータといえばホストコンピュータでした。ホストコンピュータでは、そのデータをPCにダウンロードすることさえ容易ではありませんでした。
しかし筆者は【自動実行ユーティリティ】を用いて
・ホストコンピュータで処理した結果を自動的にダウンロード
・表計算ソフトに読込
・表計算ソフトで美しく整形し印刷
の一連作業を自動で行えるようにしました。あまりにも見事な自動化の為いろいろな人に自慢しました。
今思えばこの【自動実行ユーティリティ】は現在のRPAの元祖であったといえます。異なるコンピュータを連携し自動化を図っていたのです。
RPAの特徴
システムを超えた自動化が可能
RPAの特徴は、システムの垣根を越えて自動化を図れることです。
従来の自動化では、システムの垣根を越えることは容易ではありませんでした。
例を示しましょう。
新規会員登録すべき一覧表がEXCELにあるとします。
このデータを、WEBシステムに登録する場合どうしますか?
もちろんそのWEBシステムがEXCELデータの取り込み機能を有していればそれを利用するでしょう。
しかしその機能を有しておらず、WEB画面からの入力しか出来なかったらどうしますか?
手動で入力することになります。
つまりEXCELという電子データがあるにも関わらず、手入力するか、コピー&ペーストを繰り返すかのいずれかです。
このような場合、RPAならば人間が行うように、EXCELからデータを読み込んでWEBに登録するという作業を行ってくれます。
簡単に言えば、人間が行うべき作業を代行してくれるのです。
IT専門家でなくても構築可能
簡単なものであれば専門的な知識なしでも数日間の学習でRPAの手順(以降、プログラムと呼びます)を構築できます。
具体的に簡単とは、EXCELの読み書き、テキストファイルの読み書き、WEBからデータ取得(難易度の高いものもあり)、WEBへのデータ入力などがあります。
注意点:
簡単なものであってもセキュリティ上許されていないデータにアクセスする処理を構築することはできません。
RPAに向いている業務
それは定期的に実施される定型的な業務です。
理由は一度プログラムを作成すれば、繰り返し利用できるからです。4年に1回閏年に使用されるプログラムよりも、毎日使用されるプログラムの方が有効です。
非定型な処理では、その時だけの特殊な処理手順であるため、わざわざプログラムを作るよりも手作業で業務をこなした方が得策かもしれません。
RPAとその他のソフトウェアとの共存
RPAは、他のソフトウェア(JavaアプリケーションやExcelプログラムなど)と共存し、それらを相互に連携するものです。RPAは他のソフトウェアを排除するものではありません。これをWith RPA and Non-RPAと呼びます。
もちろん置き換えた方が効率的と判断できれば置き換えるべきでしょう。全てRPAで行えば統一性がとれるからという理由で置き換えるのは避けるべきです。
そもそも現代のシステムは、WEBシステム、EXCEL、WORD、データベースなど多種多様なソフトウェアで構築されています。これらの既存システムを生かしたままRPAで自動化しデータを連携するのは気分爽快です。置き換えるのではなく、多種多様なソフトウェアを連携させることに喜びを感じましょう。もちろんそれなりの知識は必要です。
RPAを使用するときの注意点
RPAによって他社が運営するシステムにアクセスするときは注意が必要です。最悪の場合訴えらえることもあります。実際にそのような事例はあります。
以下の2点は十分注意してください。
(1)ロボットからのアクセスを禁止しているサイトがあります。そのようなサイトへのアクセスは避けるべきです。
(2)ロボットからのアクセスを禁止していなくても、相手に迷惑を掛けないように配慮する必要があります。例えば頻繁なアクセスは避けるべきです。
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