xRとは何か?ビジネスへの活用事例と5Gが果たす役割

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5Gのメリットを活かす象徴的な事例として、ARやVRなどがエンタメ業界を中心に採用されはじめています。しかし、実はARやVR以外にも「○R」と名のつく技術は存在し、これらを総称して「xR」と呼んでいます。

今回の記事では、そもそもxRとは何なのか、ビジネス分野における活用事例を紹介するとともに、なぜxRに5Gが不可欠とされているのかも含めて解説します。

 

xRとは?

そもそもxRとは、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)などの総称です。そのまま「エックスアール」と読むのが一般的ですが、「エックスリアリティ」とよばれることもあります。「○R」と名のつく技術はARやVR以外にも「MR(複合現実)」や「SR(代替現実)」なども存在し、今後さらに新たな技術が登場してくる可能性もあるでしょう。

これらを総称してxRと呼んでおり、一言で言えば「リアリティのある体験を可能にする技術」のことを指します。xRに対応したスマートフォンアプリも続々と登場しており、今後大きなトレンドとなっていく可能性もあります。

 

xRが注目されている理由

なぜ近年になってxRが注目されるようになったのでしょうか。もちろん、リアリティのある体験を可能とする技術そのものの発展も大きな要素ですが、それ以上に5Gによってデータ通信速度が高速化し、一度に大容量のデータのやり取りが可能になったことが挙げられます。

たとえばVRコンテンツと従来の一般的な動画コンテンツを比較した場合、VRのほうがはるかにデータ量は大きく、ダウンロード・アップロードともに時間を要してしまいます。また、通信容量に上限が設けられているプランを選択した場合、あっという間に上限に達し通信制限がかかってしまうでしょう。

しかし、2020年に入り5Gの商用サービスが開始され、従来の4Gと比べて圧倒的な高速通信が可能になったことでxRの爆発的な需要が期待されています。

また、新型コロナウイルスの感染拡大という社会的な背景も大きな理由のひとつとして挙げられます。人との接触を極力避けつつもコミュニケーションを円滑にしたり、リアルな体験を可能にするための手段としてxRに注目が集まっているのです。

 

xRのビジネス活用事例

xRといえばエンタメ分野での活用事例をよく目にしますが、ビジネスの分野においてもさまざまな活用が期待されています。代表的な事例を4つ紹介しましょう。

不動産物件の内見

アパートやマンションの賃貸物件を内見する場合、これまでは直接現地に赴き確認する方法が定番でした。しかし、転勤などで遠方の物件を借りなければならない場合、内見のたびに足を運ぶのはユーザーにとって負担になるものです。そこで、VRの技術を活用することで、現地で内見しているかのようなリアリティのある体験を可能にします。

物件の内部を360度カメラで撮影し、ユーザーはVRヘッドセットなどを着用して物件の内覧を行います。

観光スポットの紹介

地方自治体などが地元の魅力を発信するため、さまざまな観光スポットを紹介する際にもxRの技術が応用できます。また、新型コロナウイルスの影響によって都心部から地方への移住を検討する人が増えているなか、地元の魅力をアピールするためのツールとしてもxRの技術は力を発揮してくれることでしょう。

たとえば、観光スポットの上空からドローンなどを活用して映像を撮影し、それをVRヘッドセットで投影することで迫力のある映像を楽しむことができます。

旅行先の下見

旅行会社が提供するパッケージツアーは、これまでパンフレットを参考にしながら行き先を決めるのが定番の方法でした。しかし、VRの技術を応用すると、旅行先のプロモーション映像を見ながら現地の下見ができるほか、宿泊先のホテルや旅館の雰囲気も味わえるようになります。

「パンフレットや写真では雰囲気が良さそうだったのに、実際に現地に足を運んでみたらイメージと違っていた」ということも、VRを活用すれば未然に防げます。

試着アプリ

洋服の試着はもちろん、部屋の中に置く家具を選ぶ際にもARの技術が活躍します。購入を検討している商品を選び、カメラで自分自身の姿を撮影するとバーチャル上で服を着用した姿が見られます。

また、家具を選ぶ際にも部屋の一角に設置した場合のマッチングや寸法も確認でき、「購入してから部屋のイメージに合わなかった」「サイズが合わず部屋の中に設置できなかった」という問題も回避できるでしょう。

 

まとめ

VRやARは、これまでにない新たな体験を与えてくれる技術であり、5Gの普及とともにコンテンツの数も爆発的に伸びると考えられます。また、試着アプリのように商品を購入する前の段階でトラブルを防ぐ実用的な役割も期待されています。

スマートフォンやタブレット端末はもちろんですが、ヘッドセットのような専用のデバイスに対応したアプリケーションやシステムを開発することで、さらなるユーザーの満足度向上にも役立てられるでしょう。

 

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